3.大ドジ小ドジしてばかり

若い頃から、いや子供の頃からドジばかりしてきた。

やった後はひどい自己嫌悪に陥り、でもすぐに気分を取り直してはまた新たなドジヲする。

どんなものがあるかと言うと、

★ちょっと、ここじゃあないですか!
まだ独身だった頃、日中独りのところへある人が何やら書いてある紙切れを持って、「すみません、この住所はどこになりますか?」と聞いてきた。
「ええと、よく分かりません。」と私は答えた。
その人は出て行ったが、すぐに戻ってきて、「ちょっと、ここじゃないですか!」と怒ったように言いながら入ってきた。
それは私の家の住所だったのです。

★何故こんな所にあるの?
数年前のお正月、夫の両親の家へ年始の挨拶に行った時、義父母がいる離れから台所に移る為、薄暗い場所を通って行った。
みんなの後を追ってついて行ったら、突然足元に暖かなものを感じた。
「あれ?なんでこんな所にホットカーペットがあるのかな?」と、足の指でゴニョゴニョやっていたら台所から義姉の大声が飛んできた。
それおモチだよ!!」

★あら、どうもありがとう!
ある日、友人と名古屋の地下街へショッピングに出かけた。とあるファッショングッズのお店に入り、物色していた時、感じのいいバッグが目の高さにディスプレーしてあった。よく見ようと手元に引き寄せて顔を近づけた。と突然そのバッグが動いたのである。なんと、店内を回っていたお客さんの肩にかけてあったバッグだった!
とっさに「あんまり素敵なものだったから。」と震えて言った私である。

●口が開いたままで…
ある日、道を歩いていたら、前から来た人が「お早う!」と元気よく挨拶してくれたので、私も元気な声で「お早うございます!」と思いっ切り挨拶した。
その人は私の横を通り過ぎて、後ろの人と会話をし始めた。
ガーン!私は口が「ま」の形で止まったままだった。

★自意識過剰?
ある日、友人と待ち合わせをしていた時、先ほどからずっと、痩せて背の高い人がこちらを見ているのだ。
私に気があるのかなと想いつつ、そちらに近づいたら、ただの、歩道に立ててあるポールだった。
思い込みが激しく、つい男の人がこちらをじっと見ているんだと思い、鼻の下に汗をかいた自分がバカに見えた。

★極めつけの大ドジ!
もう4年も前の事。
なんとJRのホームから線路に落ちたのである。
ある小雨の降る日、電車に乗って出かける用事があったので、少し急いで歩いていた。
やっと駅に着き、乗りたい電車がまだホームにいるようだったので、あわてて階段を進み、白杖を前に突きながら乗り込んだ。乗ったはずだった。
しかし、私は線路の上に落ちていた。ホームに電車などはなかったのである。
まだ電車がいると思ったのはホームの向こう側のコンクリートの壁を電車のボディーと見間違い、黄色の点字ブロックを車体の黄色(実際はオレンジっぽい色)のラインと勘違いして、間に合ったとうれしくなって、ヒョイっと乗り込んだのである。
運良く駅員さんが気付いてくれたらしく、「大丈夫ですか?」という声が頭上から聞こえてきた。それまでは自分が何故ここにいるのか分からなくて、ぼわーんとしていたのだ。
何人かの人に引っ張り上げてもらい、無事、ホームに戻る事ができた。電車の上下線とも緊急停車の措置を取ってくれたので、すぐ後から来るはずだった快速電車にひかれずに済んだ。
救急車も呼んでもらい、病院へと運ばれたのだが、救急隊員は雨の降る中、ストレッチャーを階段のスロープを使って私を運んでくれた。
肋骨に少しひびが入っただけで済んだので、迷惑をかけた皆さんに、申し訳ないやら、ありがたいやらで、心の中は、大騒動だった。

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