私のオペラ鑑賞法!

私はモーツァルトが好きで毎日 2〜3時間は浸っている。とくにオペラは 数おおい作品のなかでもこのんで聴いているジャンルである。モーツァルトのオペラは一般に次のように分類される。

イタリア語オペラ(初期)
  1. みてくれのばか娘K-51
  2. ポントの王ミトリダーテK-87
  3. アルバのアスカーニォK-111
  4. シピオーネの夢K-126
イタリア語オペラ(中期)
  1. にせの女庭師K-196
  2. 羊飼いの王様K208
  3. イドメネオK-366
ドイツ語オペラ
  1. ツァイーデK-344
  2. 後宮からの逃走K-384
  3. 魔笛K-620
イタリア語オペラ(後期)
  1. フィガロの結婚K-492
  2. ドン・ジョバンニK-527
  3. コジ・ファン・トゥッテK-588
私のもっともすきな4曲
 

さて、通常のオペラには台本がありアリアやカヴァティーナの間にレチタティーヴォなるふしつきの台詞がはいる。そして当然ながらそれはイタリア語かドイツ語である。
ところが、私のイタリア語は「アディオ(さよなら!)」と「ピアノ(静かに!)」程度でお話にならない。したがってオペラの筋書きを理解するには歌詞対訳や台詞対訳を利用することになるのだが、一曲が2時間〜3時間の長さである。音楽と対訳を別々に聞いたのではとても情況の詳細まではつかめない。
あらすじさえわかっておれば、あとは音楽を聴くだけで十分という人もおられるが、やはり登場人物の刻々と変化する感情や情況情景の移り変わりがわかったほうが遥かに面白いと思う。
テレビでのオペラ放送では一般視聴者むけには字幕が使われるが、多重音声が視覚障害者むけに使われる事はあまりない。
私はCDを再生させながら同時にPCに取り込んだ対訳をプレックストークに録音する方法で副音声を作って利用している。(この際プレックストークの編集機能がおおいに役立つ)
要するに3時間分のCDには3時間分の副音声がそれぞれの場面に応じて録音されているわけである。

例えば、<フィガロの結婚>の冒頭部では次のようになる。

CDを再生すると同時に副音声用の再生機をスタートさせ、イヤホーンで聴くと、次の音声がはいってくる。


第1幕

序曲
オペラは華麗な序曲(二長調プレスト2分の2拍子)で幕を開ける。短いがウィッティで、しかも祝宴の気分を満喫させるこの曲を聞いただけで、《フィガロの結婚》なるオペラのすべてがわかってしまうような気になる。それは ロココの大広間の絢爛とまばゆいシャンデリアの輝き、人々のさんざめきである。

序曲はそのまま第1幕の二重唱につながる。幕が開くと、

第1場

家具がまだ揃っていない部屋、中央にゆったりした肘掛椅子. フィガロが物指しを手にしており,スザンナは鏡に向かって,花のついた帽子を試着中
第1曲〈小2重唱〉
今日が結婚式というスザンナとフィガロのはずむ心を表すかのように、浮き立つような メロディが弦から流れ出てくる。開幕早々に心をとらえる美しいデュエットである。
  1. フィガロ<書きながら>5,10,20,30,36,
  2. スザンナ<鏡をのぞきながら,ひとりごと>ほんと,良く似合うことまるであつらえたみたい・・・・・・・石井宏 訳

残念ながらすべての登場人物の声が同じ声になってしまうが、これは今のところどうしようもない。とりあえず私はこうやってオペラを楽しんでいるが、副音声付で5回6回と聴きこんでいくと後は副音声なしでもなんとなく流れはつかめてくるものである。 しかし副音声を作るのはなかなか骨が折れる作業であり、ねがわくはこのような番組を テレビの多重放送でどんどんやってほしいものである。

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